毛蟹のビスク

毛蟹は地域によって漁獲される時期が異なり、旬を明言することは難しい食材ですが、北海道から岩手県あたりまで場所を変えながら通年通して水揚げされます。強いて旬といえば冬頃でしょうか。 一般に毛蟹は高価な食材ですし、そのまま食べたいものですが、小さく身を食べるのに適さないようなものはスープにするのも一つの手です。 今回は毛蟹の旨みをぎゅっと閉じ込めたビスクに仕立てます。 <使用食材> 毛蟹(ボイル) 玉ねぎ 長ネギ 人参 セロリ ニンニク トマト ご飯 フュメ・ド・ポワソン 白ワイン ブランデー ローリエ 生クリーム パセリ <下準備> ・蟹は捌いてから甲羅ごと割って、炒めやすいサイズにしておく。蟹の身の一部は浮き実用にほぐして取り避けておく。 ・ニンニクは2,3欠片皮付きのまま根の部分だけ切り落としておく。 ・玉ねぎ、セロリ、人参は薄切りに、白ねぎとトマトはざく切りにしておく。 <本調理> 1.大きめの鍋に蟹を入れて強火で炒めていく。オーブンで焼いても良い。 2.バターとトマト以外の野菜を全て入れて炒める。しゃもじを使って、ガシガシと蟹の殻を潰しながら炒めていく。 3.野菜に十分に火が通り蟹も十分に砕けたら、白ワインとブランデーを加える。強火でアルコールを飛ばしたら、トマトとご飯少々を加える。 4.フュメ・ド・ポワソンをくわえ、ローリエを入れて煮込む。アクを取りながらコトコトと30分~。 5.蟹の殻を潰すようにしながら、シノワで漉して別の鍋に移し中火にかける。温まったら、生クリームを加えて塩胡椒で調味する。 6.器に注ぎ、浮き実用の蟹を乗せてパセリを散らせば完成。 <一言メモ> ・イメージはソース・アメリケーヌと同じ。ブランデーは甲殻類と相性良し。 ・ご飯はとろみ付け。

牡蠣のビスク

真牡蠣の旬は冬の季節。9月頃から始まり4月頃までの間に水揚げがなされます。日本でも人気な牡蠣ですが、実は海外でも人気がある食材です。 フランスをはじめヨーロッパはもちろんの事、アメリカのニューオーリンズなども牡蠣で有名です。特に美食の国フランスでは、牡蠣へのこだわりもひとしおで、食べ方は生色で一口。牡蠣自身も小型・肉厚に品種改良しているそうです。女性や子供でもスナック感覚でダース単位でたいらげます。 ちなみに、フランス人はなかなかの貝好きで、牡蠣だけでなくムール貝も”ムール・フリット(ムール貝&フライドポテト)”として一人鍋一杯は当たり前に食べてしまいます。 上記の通りフランスでは牡蠣は生食のみで食べられるそうですが、今回は、旬の真牡蠣をクリーミーなビスクに仕立ててみました。 <使用食材> 牡蠣 玉ねぎ 白ネギの セロリ 人参 ほうれん草 フュメ・ド・ポワソン 生クリーム 塩こしょう タイム <下準備> ・牡蠣は綺麗に洗っておく。牡蠣の下処理についてはこちらを参照。 ・玉ねぎは薄めにスライスし、白ネギの青い部分は斜め切り、セロリ、人参は細切りにしておく。 ・ほうれん草は塩を入れたお湯で湯がいて、水気を絞ってから粗く刻んでおく。 <本調理> 1.牡蠣をフュメ・ド・ポワソンで茹で、”キュッと縮む”直前で牡蠣を取り出す。浮き実用の数個は取り避け、残りはみじん切りにしてから裏ごししてピュレ状にする。 2.鍋にバターを敷き、玉ねぎ、白ネギ、セロリ、人参を加えてしっかりと炒める。野菜に十分火が通れば、小麦粉を加えて焦げ付かないようにさらに炒める。 3.小麦粉がダマにならないように、フュメ・ド・ポワソンを徐々にくわえながら伸ばしていく。ヒタヒタになるくらいにフュメ・ド・ポワソンと先ほどの牡蠣の煮汁を加え、タイムを入れてコトコトと煮込む。 4.煮汁の一部を取り出して牡蠣のピュレを伸ばし、粗みじんにしたほうれん草とともに鍋に加える。最後に生クリームを加え、塩こしょうで調味する。 5.器に注ぎ、浮き実用の牡蠣を盛り付けたらパセリを散らせて完成。 <一言メモ> ・以前何かの料理本で見たレシピ。レシピ詳細はうろ覚えなので自己補完。 ・フュメ・ド・クラムを使っても良いが、牡蠣の存在感が薄れるかも…。 ・牡蠣とほうれん草は相性が良い。オイスターロックフェラーを思い出す。