鮭の粕汁

粕汁といえば、真冬の定番。最近では酒粕は年中手に入るようになりましたが、もともとは日本酒の寒仕込みの12月から3月頃までの間にしか取れないものです。 日本酒の醸造の際に出てくるこの酒粕。これを使った粕汁は2月頃の最も寒い時期に体を芯から温める季節の料理なのです。 粕汁の具材は地域によって様々ですが、今回は鮭のアラを使って濃厚な汁に仕立てます。 <使用食材> 鮭のアラ 大根 人参 ごぼう 酒粕 昆布 一番出汁 塩 薄口醤油 <下準備> ・酒粕をたっぷりの昆布出汁に数時間つけておく。 ・大根、人参はさいの目切りにして一番出汁で茹でておく。 ・ごぼうはささがきにして水にさらしておく。 <本調理> 1.鍋に昆布と鮭のアラを入れ中火にかけて出汁をとる。丁寧にアクを取る。 2.酒粕はすり鉢に移し、昆布出汁を徐々にくわえながら擂って伸ばしていく。 3.残りの昆布出汁を鍋に入れ、酒粕を粗めのザルで漉す。鮭の出汁も同じ鍋に注ぐ。 4.大根、人参、鮭のアラ、ごぼうを加えて煮立たせる。塩と薄口醤油で調味したら出来上がり。 <一言メモ> ・酒粕を漉すザルは粗い物でなくてはならない。味噌漉しは細かすぎる。 ・酒粕にアルコールが足りない場合は清酒をたす。 ・酒粕は精米歩合が高いものほど美味しい。

Lohikeitto(ロヒケイット)

最近では養殖産業のおかげで年間を通して手に入る食材となりましたが、その旬は秋です。誰しもが9月頃から生鮮食品売り場に秋鮭が所狭しと並ぶのを見て、秋の訪れを感じた経験があるのではないでしょうか。 サーモンといえば日本でも非常に馴染み深い食材のひとつで、刺身に焼き物に汁物までその用途は多岐に渡ります。一方で、海外(特に北欧)でも非常に好まれる食材で、世界中に数々のサーモン料理が存在します。 今回は、旬の秋鮭を北欧はフィンランドの家庭で愛されるサーモンスープ”Lohikeitto(ロヒケイット)”に仕立てます。 <使用食材> サーモン ジャガイモ 玉ねぎ (人参) ディル(乾燥/生) バター 生クリーム(牛乳) <下準備> ・サーモンは皮付きの場合は皮を剥いで、一口大に切り分ける。軽く塩を振り、ディルをまぶして30分~1時間ほど冷蔵庫で寝かせておく。 ・玉ねぎは一口大に、ジャガイモ(と人参)は皮をむいてサーモンと同じくらいの大きさに切っておく。 <本調理> 1.鍋にたっぷり目にバターを溶かし玉ねぎを炒める。十分に甘みを引き出す。 2.一旦、玉ねぎを取り出し、同じ鍋でサーモンを炒める。完全に火を通す必要はないので、7~8分程度火が通ってバターの風味が移れば、鍋から出して取り置いておく。 3.先ほどの玉ねぎを鍋に戻し、ジャガイモ(と人参)を加えて炒める。 4.ジャガイモの表面が透明になってきたら、ヒタヒタになる程度に水を加えて煮込む。ジャガイモの加減をみつつ(煮崩れしすぎないように)、逐次足し水をして、最終的には半量程度まで水分を飛ばす。 5.ジャガイモが柔らかくなって、水分も十分に飛ばしたら、生クリームをたっぷりと加える。煮立たないように弱火で温める。 6.十分に温まったら、取り置いていたサーモンとディルを加え、弱火のまま5分ほど煮て、塩コショウで調味する。 7.器に盛り付け、最後に再びディルをまぶせば完成。 <一言メモ> ・本場では人参はいれないレシピも多いが、やはりいれたほうが彩りも味も良い。 ・サーモンは煮込みすぎてパサパサにならないように注意。 ・ディルは乾燥でも生でも良い。乾燥の方は手軽。生は香りが強い。一長一短。