鯖の旬は10月頃から12月頃にかけて。特に京都の塩鯖は昔から美味しいと言われており、今でも京都の人々の生活に親しんだ食材のひとつです。鯖寿司の専門店が多く居を構えていたり、生鮮食品店でも様々な業者の塩鯖(“きずし(〆鯖)”ではなく!)が置かれていたりします。
京都で暮らす上で、鯖は切っても切り離せない食材のひとつ。ちなみに京都での塩鯖の相場はだいたい一尾1000円ちょっと。それ以下の安価なものも見かけますが、あまり美味しいとは言い辛いものが多くあります。
塩鯖は部位ごとに、造り、きずし、塩焼きなど、多様な料理に使うことができます。今回は鯖と相性の良い、同じく冬の味覚の大根を使って清汁に仕立てます。
<使用食材>
- 鯖(塩鯖)骨つき
- 大根
- 昆布
- 清酒
- 薄口醤油
- 山椒
<下準備>
・生の鯖を使う場合は、前日に背から開いて塩をし、冷蔵庫で寝かしておく。
・塩鯖を三枚におろし、アラの部分は出汁をとる用にバラす。鯖の身は浮身用の2切れほどだけ切り出し、残りは他の料理用に保存。
・大根は皮をむいて、厚め(5mm~1cm程)のいちょう切りにする。
<本調理>
1.鍋にたっぷりの水を入れ、昆布と大根、鯖のアラ、清酒をくわえて日にかける。丁寧にアクを取る。
2.大根が柔らかくなくなるまで煮込んだら、薄口醤油で調味する。
3.浮身用の鯖の切り身は酒蒸ししたのち、水気を拭いて皮目をバーナーで炙り焼目をつける。
4.お椀に盛り付け、山椒を挽きかけたら完成。好みで白髪ねぎをのせるのも良い。
<一言メモ>
・塩鯖に十分な塩分があるので、味付けは薄口醤油のみで十分。
・浮身用の鯖は直接焼いてもいいが、脂がきつい可能性がある。
・鯖の脂肪で大根が柔らかくなり、大根のジアスターゼで鯖の臭みがとれる。